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「ベンチャー政党」自認する維新　選挙データの独自分析で成果
2023/11/10 06:30

「東京で公認候補を90人出せないか。90人擁立したら当選者は80人を超える」

日本維新の会の藤田文武幹事長は昨年秋、国会内の一室で、こう切り出した。向かい合ったのは党支部「東京維新の会」の柳ケ瀬裕文代表と音喜多駿幹事長。今年4月の統一地方選での候補者擁立を協議していた。藤田氏は実業家出身で42歳。党総務会長を務める柳ケ瀬氏は49歳、党政調会長の音喜多氏は40歳でいずれも元都議。40代の3人は党の要職を担っている。

藤田氏は候補者の「数」を重視した。「質」に重きを置いた柳ケ瀬氏は、90人という提案に驚いた表情を浮かべ「出したいが候補者が集まらない」と答えた。何度かすり合わせした末、都内の市区町議選でなんとか計70人擁立し計67人が当選した。中央区、江戸川区、武蔵野市など11市区議選では維新候補がトップ当選した。

3人で協議するとき、藤田氏の手元にはいつも資料があった。維新独自のデータ分析に基づいてはじき出した各選挙区の情勢だ。「東京は、やはり90人出したかった」と振り返る。

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埼玉県内では、維新の高橋英明衆院議員の公設秘書だった、池田恵（けい）氏が川口市議選（定数42）に立候補した。昨年11月から平日は、朝5時半から3時間、地元の駅前に立ち、県立高校教員から転身した経歴などを書いたビラを配った。「邪魔だ」「どけよ」。通行人から心ない言葉を浴びせられることがあったが、「応援してるよ」という声援も受けた。池田氏は、5807票を集めてトップ当選した。「なぜトップ当選できたのかはわからない。党関係者から『参院選の比例得票数からみて、川口で2議席は取れる』と何度も言われていた」と打ち明ける。

藤田氏は東京や埼玉での結果を喜んではいない。️⭕️「トップ当選するのは、️票が余っているということだから」と指摘する。

統一選で駆使したという選挙データの分析とはどのようなものか。藤田氏は著書で、過去の基礎データを収集し「プロのデータアナリストの力を借りて、すべての市町村の選挙情勢を分析した」と明かしている。