221 【有本香の以読制毒】 岸田外交の「周回遅れ」に嘆き 安倍元首相の尽力も「対中非難決議」もできないぶざまな現状 貶すメディアの浅はかさ 2023.11/10 06:30 中国共産党と戦い続けるドルクン氏の半生記、10日発売 10日、私が監訳を務めた本が発売される。先月末に来日していた世界ウイグル会議総裁、ドルクン・エイサ氏の著書の邦訳版『「テロリスト」と呼ばれた男』(飛鳥新社/監訳・有本香/訳・三浦朝子)である。 本書は30数年にわたり、中国共産党と戦い続けるドルクン氏の半生記で、原題は『China Freedom Trap(中国の自由の罠)』という。 新疆大学の学生だった1988年に1万5000人規模のデモを組織して放校処分となったときに中国当局に目をつけられ、20代で外国へ亡命した後もずっと中国の仕掛ける「罠」に苦しめられてきた体験を描いている。中国当局から、身に覚えのない「テロリスト」認定をされ、国際指名手配までされたことで、世界各国で入国拒否の憂き目に遭い、韓国では到着の空港で拘束され、危うく中国へ送還されそうになったりもした。 匿名さん2023/11/11 21:533
222 >>221 自由主義の看板を掲げる国にさえも、中国の「罠」は仕掛けられている。原題の意味するところは、韓国でのこの体験に明らかだ。 米国さえも一時期、ドルクン氏を入国させずにいたなか、日本だけが彼を入国させ続けた。安倍晋三元首相のような有力政治家がドルクン氏に会い、その要望を聞いて、中国で投獄されていたウイグル人の学者を救い出したこともあった。 ドルクン氏が日本を「奇跡の国」と呼ぶ理由は、ひとえに安倍氏のウイグル問題への尽力による。 本の発売を前に、2日夜には「発売記念イベント」が都内で催され、ドルクン氏とともに私も登壇した。その際、版元である飛鳥新社の編集長・花田紀凱氏からこんな質問が出された。 「今、ウイグル問題の解決のために、日本は、われわれに何ができるのか」 ドルクン氏の答えは2つだった。 1点目は「ウイグル人の強制労働が疑われる産品を買わないこと」。これは同時に、日本企業がウイグル人の強制労働に加担しないよう、サプライチェーンの見直しを徹底してほしいとい訴えでもある。 匿名さん2023/11/12 06:07
223 >>221 2点目は、政治への注文だった。かつてウイグル問題に冷淡だった欧米諸国は今や態度を一変させ、『ウイグル強制労働防止法』を制定するなどして、中国に厳しく対峙している。 それに引き換え、わが国は「対中非難決議」一つも満足にできない、ぶざまな現状だ。これを知るドルクン氏は聴衆に向かって言った。 「日本の政治をより良いものとするのは皆さんのお考え一つです。ウイグル・ジェノサイドを許さないという政治家を選んでください」 岸田文雄首相は9月の内閣改造で、2年前の政権発足時に「首相肝いり」といって任命した「国際人権担当の首相補佐官」を廃した。これ一つとっても、「ウイグル問題」や人権問題に熱心という評価はできない。 一方、岸田首相は先週末、フィリピン、マレーシアを訪問した。フィリピンへの沿岸監視用レーダーの供与を決めたことで、いわゆる「対中包囲網」に同国を引き込む成果を上げたと誇る向きがあるが、多くの国民にはピンとこない。 匿名さん2023/11/12 08:53
224 >>221 同じ時期、安倍氏の遺産と言っていい、日本と米国、インド、オーストラリアによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の一員として「対中包囲網」を築いていたはずのオーストラリアと米国が、中国との通商関係「改善」かのように見える動きをしていたからだ。 オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相は、上海での「中国国際輸入博覧会」の開幕式に出席、翌日には習近平国家主席と会談もしている。 米国も同博覧会に初めて、連邦政府レベルで出展している。この動きに、「岸田外交一人負け」(※日刊ゲンダイ)と貶すメディアもあったが、その見方も浅はかだ。 米国は今、中国に対して新たな「制裁」を検討中だ。半導体や人工知能(AI)、量子コンピューター分野を司(つかさど)る中国企業に対し、米国のベンチャーキャピタルから資金が流れることを止める法案を検討しているのだ。 オーストラリアはもとより、ウイグル人の強制労働の実態を世界に告発した国である。つまり米・豪は、中国の強国化を止めつつ、自国の農産品などは買わせようという、したたかな動きを見せているのだ。日本の「周回遅れ外交」がただ情けない。 匿名さん2023/11/12 23:08