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ザ・マスク
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調べた情報によると、
ここの懸賞は必ずあたる。
やたらなれなれしい電話が異性の担当者から、かかって来る
やたらプライベートな事を聞いてくる。
賞品は店舗まで取りに来るよう言われる(郵送はしてくれない)
店に行くと宝石のうんちくを長々と語りセールスが始まる。
担当者は結構かわいい(かっこいい)
断ってもなかなか帰してくれない。
場合によっては軟禁されしょうがなくローンで高額な宝石を買わされる。
きっぱり 断れる人には無料キャバクラ
ほほう。なかなか香ばしい情報が出てきますな。
必ず当たる懸賞ですか。懸賞で一財産を築きたい僕には願ってもない話です。
003
しかも無料キャバクラときたもんだ。キャバってヌキはなしだっけ?
まあ うまくいけば おっぱいくらい触れるかもしれないって思ってさっそく
応募しました。変な企業に個人情報をさらすのは抵抗ありますが、無料ピンサロ
のためにしょうがありません。たのしみ~。
で、3日後くらいにフリーダイアルから電話がありましたよ。
友達がほとんどいない僕ですから携帯がなった瞬間にジェムケリーだって分かりました。
引っかかりやすいカモを演じるために、ただでさえキモオタの僕が、さらに
キモオタになりきって電話に出てみました。
「ジェムケリーのM田といいますが、懸賞に当選しまして」
とかいってます。
ん?おかしくない?懸賞の締め切りもっと先だったような。。なんで、抽選する前
に当選してんねん!って突っ込みたかったのですがあえてスルーしときます。
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担当のM田はなれなれしく話してきます。
「Gさんは彼女さんとかいるんですか?」
「え、あ、いや、 し、素人童貞です。」
キモオタを演じようとするあまり、わけわかんないことを言ってしまいました。
さすがに引かれたかなっておもったんですが、彼女は嫌なそぶりをみせず、なれなれしく いろいろとこちらの情報を引き出そうとしてきます。
年収とか聞くのはきっとローンの審査が通るか探っているのでしょうね。
さすがにあまりの長電話にうっとおしくなってきましたが、彼女の機嫌を損ねてヌイてもらえなくならないように話をあわせました。
1時間ほど話し、僕がカモであると確信した彼女は、僕に自分の個人的な携帯の番号を伝え
「では 今週の日曜日にお店まできてくださいね。絶対 来てよかったって思って
もらえるように頑張りますのでよろしくおねがいしま~す」
といって電話を切りました。あ~疲れた。
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ジェムケリーから電話があった翌日のことでした。またもや僕の携帯がなりました。M田のmy携帯からでした。なにを話したのかよくおぼえていませんが、たわいない世間話で盛り上がりました。いや盛り上がったわけではないのですが、キモオタなりに話をあわせ、それなりの会話が成立しました。それ以来毎日M田から電話があり、ジェムケリーの店舗に行く目的がなんなのか、忘れそうでした。あ、そうそうM田にヌイてもらうことだっけ?あ、いやいや 賞品を取りに行くんでしたね。
われに返った僕は電話のなかで、少しゆさぶりをかけてみました。
「友達で 宝石にスゲー興味あるやついるんだけど一緒にいっていい?」
「え?私 一人でふたりの接客なんかできないし、一人で来てもらわないと困ります。」
M田はしどろもどろに なりながら、賞品をとりに行くだけなのに 一人で来いというのです。
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まあ そりゃそうですな。M田は宝石を売りつけるのが目的ですから。二人だと相談とかされて売りつけにくくなります。ふたりまとめて売りつけようとかんがえないとは、M田はまだまだ素人ですな。
で、金曜日の電話で「明日はできないけど、日曜は忘れないできてね」っていうのです。(なんか、だんだんため口になってきてた)
ああ 明日はM田さんから電話がないのか。寂しいけどしょうがないなって思ってたら、土曜の夜、M田から電話がありました。
「仕事の合間になんとか時間つくれたので」と。
これはうれしい。あきらめていたところに電話がかかってきたのです。いい感じじゃん。こりゃ本来、風俗店では禁止の木番までいけるかもな。
っておもってはいけません!!(※注 ジェムケリーは風俗店ではありません)
そういう手口なのです。デート商法?はいろいろ手の込んだ事を考えますな。
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いよいよやってきました運命の日曜日。2時に約束していましたので、1時ごろM田より電話がありました。
いまさらもう話すことがないので、「交通費は一応担当者が負担しますので、忘れないで領収書をもってきてくださいね。」って言ってましたので、当然ちゃっかり もらっちゃいましょう。
ここで僕は、ひとつある決心をしました。
それは、セールスを始めたらブチギレて説教し、M田を泣かす、と。
店舗に着くと店内に案内されついにM田とご対面。うん、かわいい。まじで。ちょっと頭が悪そうですが。
僕はもはや腰を曲げずに、まっすぐに立ち上がれない状況です。
景品をわたされ、そのとき、受取証なるものにありとあらゆる個人情報を書かされたのですが、おそらく今後、この受取証がカモリストとして活用されると思います。
さて、ひととおりのやりとりが終わり、M田が聞いてきました。
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「飲み物はなにがいいですか?」
「ビール」
はじめに飲み物は飲み放題ってきいていたので、今日はつぶれるまで飲むぜぇ。無料だもんね。
「あ、ビールはちょっと」
なんだよ、ないのかよ。お茶かコーヒーしかないって?まじめにやれよ。って言ってやりたかったのですがここでキレては財布の中のゴムが無駄になってしますかも知れません。キレるのはもう少し我慢です。
M田がペットボトルのお茶をもってきて宝石講座がはじまりました。
まあ、よく覚えていませんが大体こんな感じだったと思います。
宝石の品質はランクわけされていて最高品質のものはジェムクオリティという。
うちはジェムクオリティの宝石しか扱わない。
会社名は、その品質から名づけた。
うちは希少価値の高いアレキサンダー大王という宝石を扱っている。
アレキサンダー大王を扱っている宝石店はあまりない
うちは宝石業界で高い評価を受けている
てな感じだったと思います。
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にしても話が長い。興味ない僕にとっては退屈なだけです。この時点でもうすでに一時間くらいはたってます。お茶のおかわりも、4杯目にかかっていましたからね。
もうそんな話はどうでもいいからとっとと脱げよ!って言いたかったのですが、今日はM田にいわれたとおりに一日空けてきています。時間は無制限ですのであせらず行きましょう。(はじめの電話で約束したときM田にしつこいくらい当日は丸一日あけるように言われていた。長時間のセールスを当たり前のようにやるためだろうけど)
それから なんか知らないうちに話の方向性が変わってきました。
結婚するのにいくら金がかかるかとかそんな話になってきました。で、婚約指輪は百万円くらいするので貯金するつもりで今から用意しないといけないとか、そんな話をしだしました。
んで、M田が席をたち何種類かアレキサンダーのついたネックレスを持ってきました。
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「このなかで、どれが気に入った?」
とか言ってきます。
ん?気に入った?まったく興味ねえんだけど。
でもそういっちゃうと ホラ もう僕とM田さんはラブラブじゃないですか。恋人も同然じゃないですか。
そんな彼女の愛する宝石の興味がないなんて言えば、嫌われちゃうかもしれない。
だからいえませんよぉ。
「このネックレスを普段から身に着けて、結婚するときに石だけはずして指輪に付け替えて婚約指輪として送ればいいよ。」ってM田が攻勢をかけてきますのでしぶしぶ「これかな」って選びました。
「じゃ 身に着けてみて」
え?こんな高そうなもの試着していいの?今日は一週間洗濯してない悪臭を放つ服をきていますが、臭いがうつっていいんですな。じゃ 試着しましょう。
「わあぁ。すごーい。よく似合う!!かっこいい」
とM田がおだてます。
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