犬猫好きに朗報!井上ひさし巷談辞典読め
たとえば小学五年のとき、近所の猫を煮干し用雑魚(じゃこ)でおびきよせ、
とっ捕えてやつの鼻の穴にわさびの塊を押し込んだことがある。
例(くだん)の猫はぎゃっ!と名状すべからざる悲鳴をあげて三十糎もとびあがり、
次の瞬間、時速百キロは優にあろうかと思われる速度で走り出し、そのまま行方不明になってしまった。
また小学六年のとき、柔道を習い始めたが、あるとき、この柔道の教師が、
「猫はどんな高いところから跳びおりても、ぴたりと四つ足をついて着地するが、
姿三四郎はこの猫の着地法を見て独得の受身術を編み出した」
と、話すのを聞き、友だちと猫の着地術を研究したことがある。
やはり近所の猫を雑魚でおびきよせて捕え、火の見櫓の天辺から落したのだ。猫はにゃんともいわずに即死した。
とっ捕えてやつの鼻の穴にわさびの塊を押し込んだことがある。
例(くだん)の猫はぎゃっ!と名状すべからざる悲鳴をあげて三十糎もとびあがり、
次の瞬間、時速百キロは優にあろうかと思われる速度で走り出し、そのまま行方不明になってしまった。
また小学六年のとき、柔道を習い始めたが、あるとき、この柔道の教師が、
「猫はどんな高いところから跳びおりても、ぴたりと四つ足をついて着地するが、
姿三四郎はこの猫の着地法を見て独得の受身術を編み出した」
と、話すのを聞き、友だちと猫の着地術を研究したことがある。
やはり近所の猫を雑魚でおびきよせて捕え、火の見櫓の天辺から落したのだ。猫はにゃんともいわずに即死した。