394 主 文 本件上告を棄却する。 理 由 弁護人の上告趣意第一点について しかし、傷害罪は他人の身体の生理的機能を毀損するものである以上、その手段 が何であるかを問はないのであり、本件のごとく暴行によらずに病毒を他人に感染 させる場合にも成立するのである。従つて、これと見解を異にする論旨は採用でき ない(所論引用の判例は暴行を手段とした傷害の案件に関するものであつて、本件 には適切でない。) 同第二点について 性病を感染させる懸念あることを認識して本件所為に及び他人に病毒を感染させ た以上、当然傷害罪は成立するのであるから論旨は理由なき見解というべく、憲法 違反の問題も成立する余地がない。 よつて刑訴四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 匿名さん2024/02/22 11:55