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・・・皆さんが健康で楽しく過ごせますように
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その兄さんは オレとよく遊んでくれた。プラモ屋にもよく連れて行ってくれた。
ケンメリにもよく乗せてくれた。
ウチに間借りしてる部屋にもよく入れてもらった。
ある日‥いつものようにオレは兄さんの部屋に遊びに行った。
「C、ちょっとそこの箪笥開けてみれや」あっ、Cとはオレのコトね。
『ん〜‥なんか驚かす気だね?』
「いいから開けてみれ」
『分かった』
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オレは箪笥を開けてみた。
そこには、油紙に包まれた三角形の物が入ってた。
オレはTVで見たコトがアル拳銃だと察した。
暫く沈黙が続いた記憶がアル‥。
オレは油紙から出してみる勇気はなかった‥
無言で部屋をあとにしたアルね。
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オレは自分の部屋に戻り布団に潜って色んなコトを考えてた様な気がする。
自分の部屋といってもオレは三人兄弟で‥上に姉と下に妹が居る。一番広い部屋は姉と妹に取られて オレの4畳半しかなかった部屋は その兄さんが入ってしまったから オレの部屋は無くなったんだ。部屋が無くなったオレに与えられた場所は‥親父が茶の間の片隅をbarのように改装した壁は真っ赤なチンチラ貼りで天井からはミラーボールがぶら下がってる部屋だった。
オレはミラーボールの下にベッドを置いて拾って来た猫と毎晩添い寝してた。
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その茶の間との壁もない眼がチカチカする部屋で 一人考えてたコトは‥
どーして 兄さんはあんな物をオレに見せたのか‥?勿論‥アレが本物の拳銃なのかオレを驚かす為の悪ふざけなのかは未だに分からない。
けど‥オレが親に告げ口したりするコトとかを 兄さんは考えなかったのだろうか?
実際‥誰にも喋ってはいないんだけど。
でもオレはアレが本物の拳銃だと睨んでる。
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何故あの油紙に包まれた三角形の物が本物の拳銃だと思っているかと言うにはオレなりの根拠がアル。
オレは二階の茶の間から下の会社をよく見ていてお客さんの車を見学するのが日課だった。
ウチにはヤクザのお客さんも来てた‥
何故ヤクザだと分かったのかと言うと‥母さんからあの人はヤクザだよと聞いたからだ。
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ある日‥二階から下を見ていたら‥
あのヤクザが来た。
と、同時に 居候の兄さんが小走りで駆け寄った。
そして そのヤクザは車から降りるコトなく兄さんに何か渡した‥。
子供ながらに お菓子を渡した訳ではないと悟った。
アレはヤバイもんだなと‥拾って来た猫と眼を合わした。
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そんな光景も眼にしてるコトから‥
総合的に あの油紙は拳銃だと思ってる訳なんだけど‥
アレが本物だったのならば アレでウチの親父でも殺そうとしてたのだろうか?
兄さんは親父によく叱られてたし、オレにもよく言ってた‥
「あの糞社長め!」
親の悪口を子供に言うなよと‥いつも心の中をえぐられいた記憶かアル。
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けど‥親父は殺されなかったな。フー。
兄さんは いつの間にか会社を辞めていた。
母さんの話によると 兄さんと兄さんの彼女はシャブ中だったらしい。
やっぱり‥
普通でなかったんだな‥。
優しかった兄さんと裏のおぞましい兄さんが脳裏から離れるコトなく大人になった今でもたまに夢に見る。
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さーて‥
次は‥
犬猫 拾いまくりの少年時代を話すかな?
と、言っても今日は放免祝いだ!
久しぶりのカツカレーとビッグマンで‥
蒸し暑いクリスマスを満喫するとしよう。
ウム。
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そーいやポンコ‥
Nのために 最終回とその前のやつ観れんかった‥
メリークリスマス。
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